もうららいふ

快適らいふを目指して、実践したことを書いています。引き寄せの法則が好き。ビジネス書もよく読みます。

不思議な世界を笑えるか。コリン・ファレル主演「ロブスター」

ヨルゴス・ランティモス。「籠の中の乙女」でカンヌ国際映画祭ある視点部門を受賞してから一気に注目されたギリシャはアテネ出身の映画監督である。

目次

映画監督ヨルゴス・ランティモスが持つある特定のルール

コリン・ファレル主演の「ロブスター」が日本でも公開されたばかりだが、ヨルゴス・ランティモス監督の特徴として小さな「ある特定のルールを持つ」世界に広がるシニカルな笑いがある。声を出して笑うというよりも、鼻先に伝わってくるような小さな笑いである。彼の世界に一般論は通用しない。その世界のルールを守らなければ生きていけないのだ。

まず観客はそのルールに対して興味を持つ。そしてそのルールに対し、従ったり、あるいはもがき苦しみ対立しようとする登場人物達の動向に興味を持つ。why?の感情が観客の中で連発され、それが笑いに通づる。なぜ、彼らはこのおかしなルールに対して本気で取り組んでいるのか、と。

現代社会ではおおよそあり得ないファンタジーのルール

「籠の中の乙女」では、家の外に出てはいけない、というルール。ある姉妹が家の中で生活をしているのだが、家の外に出ることは禁じられ、また一切の娯楽も禁じられている。外の世界に通じてしまうような言葉は全て家の中の言葉として置き換えられ、そのやりとりがまた可笑しい。「ロブスター」では、独身者は動物に変えられてしまうというルール。独身の者は一つのホテルに集められ、決められた日数のうちにパートナーを見つけて結婚しなければならない。また、森の中に隠れている独身のレジスタンスを麻酔銃で捕まえることが出来れば滞在日数が伸びる。というもの。

どちらも不可思議なものだし、どうやって思いついたのか発想力のすごさに感嘆するばかりである。また、こんなにもおかしなルールなのに本人達は至って真剣である点は非常にシニカルである。そしてそのルールが崩壊し始めた時、即ちそれがクライマックスとなる。

果たしてルールが負けるのか?

もしくは、はたまた登場人物達が敗北を喫するのか、簡単に言えばそれは観客にとって本当にどちらでもいい事なのだ。何故なら、そんなルールは現実に存在しないから。だから笑っていられる。もし実際にこのようなルールの存在する世界だとしたら、観客は笑う事ができず、苦虫を噛み潰したような顔で登場人物達の行く末を見守るだろう。ファンタジーだからこそ成立する笑いがそこにはあるのである。